遺産分割協議書で失敗しないための確認は、①相続人が全員そろっているか ②財産の書き方が正確か ③全員の署名・実印と印鑑証明書があるか、の3つです。
【この記事の結論】
遺産分割協議は、相続人全員で行う必要があります。戸籍で相続人を確定し、財産を登記事項証明書や通帳のとおりに書き、全員が署名して実印を押すことで、銀行や法務局の手続に使える書類になります。
遺産分割協議とは、亡くなった方の財産をどのように分けるかを、相続人全員で話し合って決めることです(民法第907条)。その合意内容を書面にしたものが遺産分割協議書で、預貯金の解約や不動産の相続登記で提出を求められます。2024年4月1日からは相続登記が義務になり、不動産を相続したことを知った日から3年以内の登記が必要です。たてかわ行政書士事務所では、書類の作成でつまずきやすい3つの確認ごとを整理しました。
この記事の要点
- 定義:遺産分割協議書とは、相続人全員で合意した遺産の分け方を書面にしたものです。
- 結論:相続人が1人でも欠けた協議は成立しないため、最初に戸籍で相続人を確定します。
- ファクト:相続登記は2024年4月1日から義務化(取得を知った日から3年以内・正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の可能性)。相続税の申告は、死亡を知った日の翌日から10か月以内です。
- 今すぐやること3つ:①亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を集める ②財産の一覧を作る ③相続人全員の印鑑証明書を用意する

画像:遺産分割協議書の3つの確認(相続人の確定・財産の正確な記載・全員の署名と実印)。相続登記は2024年4月1日から義務化(出典:法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」)
確認ごと①:相続人が全員そろっているか
▶ 結論:亡くなった方の出生から死亡までの戸籍をすべて集めて確定します。
「いつも集まる家族だから大丈夫」と思っていても、戸籍をさかのぼると、知らなかった相続人が見つかることがあります。相続人が1人でも欠けたまま話し合って作った協議書は、協議として成立しません。法務局の「法定相続情報証明制度」を使うと、戸籍の束の代わりに一覧図の写しを各手続に使えます。
確認ごと②:財産の記載が正確で漏れがないか
▶ 結論:不動産は登記事項証明書のとおり、預貯金は銀行名・支店名・口座番号まで書きます。
| 財産の種類 | 書き方の例 | 確認する資料 |
|---|---|---|
| 土地 | 所在・地番・地目・地積 | 登記事項証明書 |
| 建物 | 所在・家屋番号・種類・構造・床面積 | 登記事項証明書 |
| 預貯金 | 銀行名・支店名・種類・口座番号 | 通帳・残高証明書 |
「実家の土地」のような書き方では、銀行や法務局で手続を受け付けてもらえないことがあります。後から見つかった財産の扱いも、協議書に一文入れておくと話し合いのやり直しを防げます。
確認ごと③:全員の署名・実印と印鑑証明書があるか
▶ 結論:相続人それぞれが自分で署名し、実印を押し、印鑑証明書を添えます。
誰か一人が全員分を書くやり方は、本人の意思を確認できないため避けてください。各自が内容に納得した証として、それぞれが署名と実印の押印をします。
見落としやすいリスク(元警視の視点)
▶ 結論:期限のある手続と、話し合いがまとまらない場合を先に確認します。
相続税の申告が必要な場合、期限は死亡を知った日の翌日から10か月以内です。相続登記にも3年以内という期限があります。また、相続人の間で争いがあり交渉が必要な場合は、行政書士は代理できません。その場合は弁護士へのご相談が必要です(※要弁護士相談)。不動産の相続登記の申請は司法書士、相続税の申告は税理士の業務です。たてかわ行政書士事務所は、話し合いでまとまった内容を書類にする段階をお手伝いし、必要に応じて各専門家をご紹介します。
よくあるご質問
▶ 結論:協議書は相続人全員の合意があれば作れますが、期限のある手続に注意します。
Q. 遺産分割協議書は自分で作れますか。
A. 作れます。相続人の確定と財産の記載に誤りがあると手続で受け付けてもらえないため、不安な場合は専門家にご相談ください。
Q. 相続人の一人と連絡が取れません。どうすればよいですか。
A. 相続人全員がそろわないと協議は成立しません。行方がわからない場合は、家庭裁判所の手続が必要になることがあります。状況を伺ってご案内します。
Q. 遺産分割協議に期限はありますか。
A. 協議そのものに期限はありませんが、相続税の申告(10か月以内)や相続登記(3年以内)には期限があります。
根拠となる公的資料
- e-Gov法令検索「民法(第907条 遺産の分割の協議又は審判)」
https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 - 法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html - 法務局「「法定相続情報証明制度」について」
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000013.html - 国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4205.htm
確認日:2026年10月3日
相続のご相談
▶ 結論:話し合いがまとまったら、協議書の作成をご相談ください。
相模原市・座間市・海老名市など神奈川県内の方の、遺産分割協議書の作成と戸籍の収集を承っています。初回相談は無料です。
※無料相談は契約を強制しません。状況整理としてご相談ください。
この記事を書いた人
行政書士 建川一茂(たてかわ かずしげ)
日本行政書士会連合会 登録番号 第23091221号/入管への申請取次の届出済み行政書士/FP2級
元神奈川県警察 警視(神奈川県警察に通算39年勤務)
専門:在留資格・外国人雇用と中小企業支援
たてかわ行政書士事務所
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