(行政書士/一般情報提供)
LEAD(結論・一文即答)
不動産売却において「手付金を受け取ったはず」と言われても、受領記録がなければ事実確認と説明責任の整理が最優先です。争わずに解決するには、相談窓口の使い分けが重要になります。
ご相談内容(概要)
東京都内にお住まいの方から、次のようなご相談がありました。
不動産を売却したが、
契約時に支払われたはずの手付金が入金されていない。
仲介業者に確認すると「現金で渡した」と言われたが、
受け取った記憶も、通帳記録もない。
相談の背景と経緯(匿名・要約)
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不動産売買契約を締結
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契約時、手付金は買主から仲介業者へ支払う取り決め
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後日、売買代金は売主へ振込され、入金自体は確認
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仲介手数料も別途、売主から仲介業者へ支払済み
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確定申告準備のため通帳を確認したところ
手付金相当額の入金が見当たらないことに気付いた -
仲介業者は
「現金で手渡しした」「書類と一緒に渡した」と説明 -
しかし
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受領書はない
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入金記録もない
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受け取った記憶もない
という状況だった
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元警察幹部の視点で見る「見落とされがちなリスク」
この種のトラブルでは、次の点が問題になりやすい傾向があります。
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現金授受は記録が残りにくい
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「渡した」「受け取っていない」という
記憶ベースの主張が対立しやすい -
時間が経過すると、
当事者双方とも詳細を思い出せなくなる
元警察官として数多くの金銭トラブルを見てきた経験上、
**「証拠の有無」ではなく「説明責任の所在」**を整理することが重要です。
根拠ボックス(一般論)
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不動産取引における金銭授受は、
宅地建物取引業法に基づき適正な管理と説明が求められます。 -
特に預り金や手付金については、
誰が・いつ・どのように管理し、引き渡したのかを
説明できる体制が重要とされています。
(※本記事は一般的な情報提供であり、個別事案の法的判断ではありません)
今回のケースで取られた「現実的な対応」
ご相談者の希望は、
「裁判など大きな争いは避けたい」というものでした。
そのため、次のような整理が提案されました。
① 感情的なやり取りを避ける
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電話や口頭での言い合いは控える
② 事実関係を文書で整理
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契約内容
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決済時の金銭の流れ
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入金・未入金の客観資料
③ 公的・中立的な相談窓口の活用
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宅建業者の所属団体
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不動産取引に関する公的相談窓口
これにより、
当事者同士で直接争わずに、冷静な説明の場を確保できます。
行政書士としてお伝えしたポイント
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行政書士は
事実整理・書面作成・相談先の整理を支援できます -
金銭請求や交渉代理が必要な場合は、
弁護士への相談が適切です -
まずは「争わない解決ルート」を選ぶことで、
時間・費用・精神的負担を抑えられるケースが多くあります
同じような悩みをお持ちの方へ
不動産取引では、
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「当たり前だと思っていたお金」
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「その場では気付かなかった違和感」
が、後から問題になることがあります。
少しでも不安を感じたら、
早い段階で専門家に相談することが最大の予防策です。