近年、人手不足の解消として外国人を雇用する企業が増えていますが、同時に「文化の違い」や「ルールの誤認」によるトラブルも急増しています。
元警察官としての経験上、企業側が悪意を持っていなくても、知らなかったでは済まされない事態に発展するケースを見てきました。ここでは、代表的なトラブルと潜在的なリスクについて解説します。
1. 在留資格(ビザ)の不備・期限切れ
もっとも重大なトラブルです。「更新手続きを忘れていた」「許可されていない業務をさせていた」というケースです。
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リスク: 本人が不法就労になるだけでなく、雇用主も**「不法就労助長罪」**に問われる可能性があります。
2. 突然の失踪・無断欠勤
「帰国すると言って戻らない」「連絡が取れなくなる」事例です。
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リスク: 犯罪に巻き込まれている可能性や、別の場所で不法就労をしているリスクがあり、警察から企業へ問い合わせが入る原因となります。
3. 労働条件・文化摩擦による対立
「残業代の計算が合わない」「宗教上の理由で特定の業務ができない」などの認識齟齬です。
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リスク: 労基署への通報や、SNSでの風評被害、最悪の場合は訴訟等の紛争に発展します。
元警視が見抜く「死角」 多くの経営者は「本人が大丈夫と言っているから」と在留カードの確認を疎かにしがちです。しかし、警察や入管の調査が入った際、口頭確認だけでは会社を守れません。「証拠」として記録を残していないことが最大の死角となります。
なぜトラブルになるのか?根本原因を理解する
トラブルを未然に防ぐには、表面的な現象だけでなく、根本原因への理解が必要です。
日本の「常識」は通用しない
日本の企業文化である「空気を読む」「報告・連絡・相談」は、明文化して教えない限り伝わりません。契約書に書かれていないことは「やらなくていい」と判断されるのがグローバルスタンダードだからです。
制度の複雑さと説明不足
日本の入管法や労働法は複雑です。雇用側が制度を正しく理解できておらず、本人への説明も曖昧なまま雇用をスタートさせてしまうことが、後の「言った・言わない」の火種になります。
【根拠ボックス】不法就労助長罪とは
出入国管理及び難民認定法(入管法)第73条の2に基づき、不法就労させたり、あっせんした者には、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されます。これは雇用主が「不法就労とは知らなかった」場合でも、確認義務を怠っていれば処罰対象となり得ます。 (参考:出入国在留管理庁「不法就労防止にご協力ください」)
【鉄壁の対策】明日からできる具体アクション3選
トラブルを防ぎ、万が一の際も会社を守るための具体的な行動指針です。
手順1:採用時の厳格なチェック(テンプレ化)
面接時に以下の項目を必ず確認し、コピーを保管してください。
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在留カードの原本確認(有効期限、就労制限の有無)
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在留カード番号の失効確認(入管庁サイトで照会可能)
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パスポートの確認(指定書が必要な場合あり)
手順2:雇用契約書の多言語化と読み合わせ
日本語の契約書だけでは、トラブル時に「理解していなかった」と主張されるリスクがあります。
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母国語または英語の翻訳文を添付する。
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重要な労働条件(賃金、時間、解雇事由)は口頭でも説明し、理解した旨のサインをもらう。
手順3:定期的な在留期限管理(トリガー設定)
更新期限の3ヶ月前にはアラートが出る仕組みを作ります。
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カレンダーや管理ソフトへの入力徹底。
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本人任せにせず、会社主導で更新手続きの準備を促す。
専門家という「最強の盾」を持つメリット
外国人雇用は、通常の労務管理に加え「入管法」という別の法律が絡むため、難易度が格段に上がります。
行政書士(行政手続きのプロ)の役割
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適法性の担保: 採用しようとしている外国人の在留資格で、その業務が可能かを正確に判断します。
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手続き代行: 複雑な更新・変更申請を代行し、不許可リスクを低減します。
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予防法務: 雇用契約書のリーガルチェックを行い、将来の紛争を予防します。
元警察官(リスク管理のプロ)の視点
当事務所では、行政書士としての法務知識に加え、元警視としての危機管理ノウハウを提供します。「もし警察が動くとしたらどこを見るか」という視点で、企業のコンプライアンス体制を強化します。
※紛争性がある場合のご注意 すでに解雇無効を訴えられている、金銭請求を受けているなど、具体的な「紛争」が発生している場合は、法律により弁護士への相談が必要です。当事務所では、紛争になる前の「予防」と「手続き」を専門としています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 在留カードが偽造かどうかの見分け方はありますか?
出入国在留管理庁の「在留カード等番号失効情報照会」サイトで番号を入力することで、有効性を確認できます。また、カードの傾きによって文字の色が変わるなどのホログラム加工も確認ポイントです。怪しい場合は専門家にご相談ください。
Q2. 本人が「更新は自分でやる」と言っていますが任せて大丈夫ですか?
本人が行うことも可能ですが、不備で不許可になった場合、突然就労できなくなるリスクは会社が負うことになります。可能な限り会社が状況を把握するか、取次資格を持つ行政書士に依頼することをお勧めします。
外国人雇用の不安、まずは専門家へご相談を
外国人雇用は企業にとって大きな戦力となりますが、誤った対応は経営リスクに直結します。 「この在留資格で雇っていいのか不安」「採用後の管理体制を見直したい」とお考えの方は、たてかわ行政書士事務所へご相談ください。 元警察幹部としての危機管理視点と、行政書士としての法務知識で、貴社の安全な雇用環境をサポートします。
※無料相談は契約を強制しません。まずは状況をお聞かせください。